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    春が大嫌いな人の言葉の羅列。

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    いつもはジーパンに突っ込んでる財布。
    それを手にして、郵便局に行くのさ。
    公園の裏口ゆるやかなカーブの坂道、その横のサルスベリの木。
    眠たそうな音を立てて飛ぶ飛行機、その下で円を描くトンビ、桜の木の下の猫。
    らがんらがん。裸眼の世界はぼやけてる。
    澱んでないし澱みもしない空気。
    古ぼけた白い画用紙みたいな正午前。
    あんたは元気にしてるのかい?
    オイラはそうね、溶けて消えてなくなりたい。

    桜が今年は綺麗に見えないね。
    何1つ感動しないわ。
    何もない木の枝に留まる鳥。
    どうせなら桜が咲いてる方に留まればいいのにね。

    風が吹けば大分マシで、雨が降ればかなり楽。
    両方が来りゃ笑えてくる。
    夜の雨はやり切れないけど、肺の奥が冷えて楽になるんだ。
    もっと吹け吹け、もっと降れ。
    もっと湿っていたんだ。

    マンホールの上の水溜まり、そこに浮かんだ桜の花びら。
    あぁ、見るんじゃなかったな。
    何かそれはとても嫌なもので、目を逸らす。
    死んでるように見えるんだ。水がピンクが滲んでる。
    早く散ってしまえばいいのになぁ。
    舌打ちをする。

    風が吹いたね、あたたかいね。
    ちょっと嬉しくなったんだ。
    吐き気がするけど、それでもいいか。
    全部白く溶けてなくなっちゃえばいい。
    そう思っていたのに、日陰に入ると嫌になる。
    日差し探して浴びていよう。
    紫外線紫外線、透かしてみれば伸びた前髪がシャボン玉の色。
    今のギターの音がいいね、何度もくり返し聴いてみたよ。
    薬局屋の前の犬に挨拶。
    地下鉄の階段降りたら、足元には人工的な埃の風に吹かれた桜の花びら。
    もうそれで全部嫌になる。

    川を見たいね。
    缶コーヒーを持って土手に座って煙を吐くんだ。
    日長1日そんな事を考える。
    湿った土の上で陽を浴びる。
    細胞が焼けていく。
    何がしたかったのかなぁ。

    見る事と眺める事は全く違う事。
    ずっと前から知ってたのに、先月まで忘れてた。
    思い出したから嬉しかった。
    思い出してから、またそれを考えたのは今月の最初の正午前。
    やっと目が覚めたね。
    今はどうかなぁ。

    桜が大分散ったね。
    緑の葉っぱが出て来る頃が1番好き。
    全部全部喰っちまえ。
    汚れた絨毯は好きじゃない。

    項垂れた昼下がりは見慣れぬ駅のホームでマシになる。
    ホームに足ぶら下げて笑っていようか。
    知らない風が吹くね。
    錆びた鉄は何処まで続いてるのか。
    ここから降りて辿ってみようか。

    久し振りに降りたその駅には潮風が吹いててにんまりする。
    歩いてきた友達はしなやかな女性になる。
    忘れてた匂いを鼻先で感じながら2人で歩く。
    そう言や、一緒にここを歩いたのは何年ぶりかい。

    やっぱり海は好きだね。
    海はいいよ、大好きだな。
    だからこの街から離れられない。
    潮の匂い、飲み込まれる音。
    フェンスに腰掛けて眺めよう。
    潮の流れを読みながら、傾き始めた日に満足する。
    何も喋らなくてもいいよ、喋っててもいいよ。
    オイラはずっと見ているよ。
    乾された魚はこんな気分だろう。
    遠くの方ではクジラが泳いでるだろう。

    そろそろ肌寒くなってきたかい。
    それじゃそろそろ行こうか。
    ここの桜は白いね。
    やっぱり緑の葉っぱが出る頃が1番好き。
    鉛のような深い緑のような、そんな水面に吹かれて落ちる。
    その着地地点、いいね、正解。
    結構この海綺麗なんだね、透明なのがよく解るよ。
    きっとこのまま遠くまで漂って、浮かんで潜って飲み込まれて。
    それで沈んでゆく。
    藻掻きながらゆるやかに沈んでゆく白い猫。
    でもまたきっと泳ぐんだろう。
    そんな自分を想像して笑う。
    何処までも1人だ。
    それでいい。

    今年はフェンスの向こうのコンクリートにトカゲはいなかった。
    きっとどっかの花畑で、細い草の根の横で太陽を見上げてるのだろう。

    満開の桜の狂った感じが好きだと言う友達の横で、烏龍茶片手に散っていく桜を眺める。
    もう夕暮れが終わっていた。
    だから本当の色は解らなかったけど。
    思わず上げた声にそれも悪くないなぁと気付く。

    春が終わる。
    溺れても泳ぐよ、最後には沈むよ、でもまた泳ぐよ。
    来年は桜の下を歩こう。

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